「パソコンがすごく遅いけど、インターネット回線が原因かな?」
実は、スマホやタブレットはサクサク動くのに、パソコンだけ遅いと感じることはよくあります。それは回線そのものの問題ではなく、パソコンやWi-Fi接続に原因がある可能性が高いです。
「他の機器が速い」なら、インターネットの契約を見直す必要はありません!この遅さ、実は簡単な設定や確認で解決することがほとんどです。
そこで本記事では、ネットに詳しくない方でもすぐに試せる、パソコンだけ遅い原因の見つけ方と、たった数分でできる簡単な対処法を分かりやすくご紹介します。
このイライラを解消して、快適なパソコンライフを取り戻しましょう!
まず試すべき超基本の2ステップ

パソコンの動きが遅いとイライラしてしまいますよね。そんなときにまず最初に試してみてほしい、最も簡単な対処法をご紹介します。
⒈ パソコンの再起動
「パソコンだけ遅い」と感じたとき、まず一番最初に試してほしいのが再起動です。
特別な設定や知識は一切不要。電源ボタンを押して入れ直すだけで、驚くほど改善することがあります。
なぜなら、パソコンは使っているうちに、目には見えないたくさんの小さな処理(プログラム)を裏側で動かし続けているからです。これらの処理が溜まりすぎると、パソコン(CPUやメモリ)が疲れてしまい、動作全体が重くなってしまいます。
再起動は、この溜まった不要な処理や、一時的な不具合をすべてリセットし、パソコンをリフレッシュする効果があります。特に、何日も電源を切らずにスリープ状態で使い続けている場合は効果絶大です。
まずは、保存していないデータがないか確認してから一度シャットダウンし、数分待ってから起動し直してみましょう。
2. Wi-Fiルーター/モデムの再起動
パソコンだけ遅い原因は、他にもインターネットに接続するための機械(Wi-Fiルーターやモデム)の一時的な不調である場合も考えられます。
これらの機器は、基本的に24時間365日休みなく動き続けているため、熱がこもったり、通信の流れが一時的に滞ったりすることがあります。そうなると、データの受け渡しがスムーズにいかず、結果的にパソコンの速度が遅くなったように感じてしまうのです。
再起動の方法は簡単です。
まずは電源コードをコンセントから抜いてください。そして、5分から10分程度、完全に電源が切れた状態で待ちます。これにより、機器の熱が冷めて、溜まった処理がリセットされます。
その後、再度電源コードを差し込み、すべてのランプが点灯するまで待ちましょう。この作業で、通信機器側のトラブルもリフレッシュされ、パソコンの速度が回復することがあります。
「パソコンだけ遅い」5つの本当の原因と見分け方

インターネットの接続機器を再起動しても改善しない場合は、パソコンそのものに問題がある可能性が非常に高いです。
ここでは、パソコンだけ遅いと感じる主な原因と、それを簡単に見分ける方法、そしてすぐにできる対処法のヒントをご紹介します。
⒈パソコンの「メモリ不足」や「スペック不足」
原因
パソコンには、作業台のような役割をするメモリという部品があります。ソフトを開いたり、ウェブサイトを見たりするたびに、このメモリにデータが置かれていきます。
複数のソフトやブラウザのタブを同時に開くと、メモリが満杯(メモリ不足)になってしまい、新しい作業をするスペースがなくなり、動きが極端に遅くなってしまいます。
また、パソコンが古すぎると、今の新しいインターネットやOSの処理能力に追いつけていない(スペック不足)ことも原因です。
見分け方
“パソコンを立ち上げているだけで、特にインターネットを使っていなくても動きが重い”、“マウスの動きがカクカクする”、“複数のアプリを同時に開くとフリーズしやすい”といった症状があれば、この原因を疑いましょう。
対処法
- 使っていないソフトやブラウザのタブをこまめに閉じる。
- 起動時に自動で立ち上がる不要なソフトを止める設定を見直す。
⒉バックグラウンドでの通信
原因
あなたが意識していなくても、パソコンは裏側で常にインターネットと通信を行っています。
例えば、WindowsやMacなどのOS(基本ソフト)のアップデートや、クラウドサービス(Google Drive、OneDriveなど)がファイルの同期を行っているときです。
これらの通信が始まると、あなたの使いたいインターネット回線がアップデートに使われてしまい、一時的に「パソコンだけ遅い」と感じてしまいます。
見分け方
急にパソコンが遅くなり、タスクバーや通知領域に「アップデート準備中」や「ファイルを同期しています」といったメッセージが出ていないか確認しましょう。
また、夜間などパソコンをあまり使っていない時間に重くなることが多いのも特徴です。
対処法
- OSのアップデートは、パソコンを使っていない時間帯に実行されるよう設定を変更する。
- 同期サービスは、作業中に一時停止する設定を利用する。
⒊ブラウザやキャッシュの溜まりすぎ
原因
ウェブサイトを見るためのソフト(Google ChromeやSafariなど、ブラウザと呼びます)は、一度見たサイトの画像やデータを一時的にパソコンに保存します。これをキャッシュや履歴と呼びます。
次回同じサイトを見たときに表示を速くするためですが、このデータが溜まりすぎると、かえってブラウザの動きが重くなり、インターネットの読み込みが遅くなる原因になります。
また、ブラウザに追加した拡張機能がインターネットの速度を邪魔していることもあります。
見分け方
インターネットを見る時だけパソコンが遅いと感じる、あるいは特定のブラウザ(例:Chrome)を使っている時だけ動作が重い場合に当てはまります。
対処法
- ブラウザの履歴とキャッシュを削除する。
- 必要のない拡張機能はオフにするか削除する。
⒋セキュリティソフトの競合・干渉
原因
ウイルスや悪質なソフトウェアからパソコンを守ってくれるセキュリティソフトは非常に重要ですが、そのソフトがインターネットの通信を監視する際に、処理に時間がかかりすぎてしまうことがあります。
特に、新しいセキュリティソフトを入れた直後や、設定が原因で他のプログラムと干渉し合っていると、パソコンだけ遅いという症状が出ることがあります。
見分け方
特定のセキュリティソフトを入れてから急にパソコンの動作が重くなった。また、セキュリティソフトの「リアルタイムスキャン」が動作している最中に速度が落ちる場合も疑われます。
対処法
こちらの作業には注意が必要です!
一時的にセキュリティソフトを無効にして、インターネットの速度が改善するか確認します。改善した場合は、セキュリティソフトの設定を見直すか、サポートに問い合わせてみましょう。確認後は必ず元の設定に戻してください。
⒌ウイルスやマルウェアの感染
原因
ウイルスやマルウェア(悪意のあるソフト)にパソコンが感染してしまうと、これらがパソコンの内部やインターネット回線を勝手に使い、データを盗み出したり、不正な通信を行ったりします。
この不正な活動のために、あなたのパソコンのリソース(処理能力)が奪われ、「パソコンだけ遅い」という状況を引き起こします。
見分け方
“突然、パソコンに見覚えのない広告やポップアップが出るようになった”、“インターネットを使っていない時でも、パソコンのファンの音が大きくなる”といった場合は感染を疑いましょう。
対処法
すぐにインストール済みのセキュリティソフトを起動し、「フルスキャン」や「詳細スキャン」を実行して、ウイルスがいないか徹底的に調べましょう。
【Wi-Fi接続の場合】パソコンとルーター間の通信トラブル解消法

パソコン本体の問題を解決してもまだ遅い場合は、Wi-Fi(無線)でデータを受け渡す途中のトラブルが原因かもしれません。
有線ケーブルを使っている他の機器が速いなら、あなたのパソコンとWi-Fiルーターの間の「電波」を見直してみましょう。
Wi-Fiの周波数帯を「5GHz」に切り替えてみる
Wi-Fiの電波には、大きく分けて「2.4GHz(ギガヘルツ)」と「5GHz」の2種類があります。
- 2.4GHz
遠くまで届き、壁や床などの障害物に強いですが、電子レンジや他の機器からの干渉を受けやすく、速度は遅くなりがちです。 - 5GHz
障害物には弱いですが、他の電波と干渉しにくいため、速くて安定した通信が可能です。
パソコンだけ遅いと感じるときは、より速い「5GHz」を使ってみましょう。
接続先一覧を見ると、ネットワーク名(SSID)の末尾に「-a」や「-5G」と書かれたものがあれば、それが5GHzの電波です。
Wi-Fiルーターの近くでパソコンを使う場合は、この5GHzを選んで接続し直すだけで、インターネットの速度が改善することが多いです。
パソコンとルーターの距離・障害物を見直す
Wi-Fiは電波なので、距離が離れるほど、間に障害物があるほど弱くなります。電波が弱くなると、その分データの送受信に時間がかかり、インターネットの速度が落ちてしまいます。
- 距離の確認
Wi-Fiルーターから遠い部屋でパソコンを使っている場合は、ルーターを部屋の中心や床から少し高い位置(棚の上など)に移動させてみましょう。 - 障害物の確認
特にルーターとパソコンの間に水槽、金属製のラック、分厚い壁などがあると、電波が遮られやすくなります。できるだけ間に何もない状態にするか、障害物を避けた場所にルーターを置いてみてください。
パソコンのネットワークドライバーを更新する
パソコンがWi-Fi機能を使うためには、「ドライバー」というソフトが必要です。このドライバーが古いままになっていると、新しいインターネット技術に対応できず、パソコンだけ遅い原因になることがあります。
この作業は少し難しく感じるかもしれませんが、ほとんどの場合はパソコンの「設定」メニューから簡単に更新できます。
Windowsであれば「デバイスマネージャー」、MacであればOSのアップデート確認の場所から、「ネットワークアダプター」や「Wi-Fi」に関する項目を選び、「ドライバーを更新」する機能を探して実行してみましょう。
最新の状態にすることで、パソコンのWi-Fi機能がよりスムーズに動作するようになります。
【有線LAN接続の場合】確認すべき2つのポイント

Wi-Fiではなく、LANケーブルを直接パソコンに繋いでいる(有線接続)のに「パソコンだけ遅い」と感じる場合は、ケーブル自体や接続に問題がある可能性が高いです。
有線接続は通常最も安定しますが、以下の2点を確認してみてください。
⒈LANケーブルの規格を確認
原因
LANケーブルには「カテゴリー」と呼ばれる規格があり、これによって送れるデータの最大速度が決まっています。
古いLANケーブルや安価なケーブルの中には、今の高速なインターネット回線に対応していないものがあります。
例えば、「カテゴリー5(CAT5)」などの古いケーブルを使っていると、インターネット回線がいくら速くても、ケーブルのせいでデータの流れが制限されてしまい、パソコンだけが遅い原因になります。
見分け方&対処法
LANケーブルの側面に「CAT.5e」や「CAT.6」といった文字が印字されています。もし「CAT.5」などと書かれていたら、それは古い規格です。
現在の一般的な高速インターネット回線を使う場合は、CAT.5e(カテゴリ5e)以上のケーブルに交換することをおすすめします。
ケーブルを買い替えるだけで、パソコンの速度がぐっと改善することがありますよ。
⒉ケーブルの接続状態と劣化
原因
LANケーブルは、長い間使っていると、曲げられたり踏まれたりすることで内部で断線しかけたり、プラグ(差し込み口の先端)が緩んだりすることがあります。
見た目には問題なくても、接触不良を起こしているとデータが途切れ途切れで送られることになり、結果としてインターネットの読み込みが遅くなってしまいます。
見分け方&対処法
まず、パソコン側とルーター側のLANケーブルを一度抜いて、カチッと音がするまでしっかりと差し込み直してみてください。この「抜き差し」だけで接触不良が解消することがあります。
また、ケーブルの表面に傷や変色があったり、長く使っているようであれば、劣化による不調の可能性が高いです。LANケーブルは消耗品と考えて、新しいものに交換してみるのも有効な対処法です。
まとめ
インターネットは問題ないのに「パソコンだけ遅い」と感じる原因のほとんどは、回線契約ではなく、パソコンやWi-Fi周りの小さな不調の場合が多いです。
まずは、再起動という超簡単な対処法から試してみましょう!
それでもダメなら、メモリ不足、古いケーブル、Wi-Fiの周波数帯など、本記事でご紹介した5つの原因を順番にチェックしてみてください。
これらのステップで、多くの場合はパソコンの遅さが改善され、快適なパソコンライフを取り戻せるはずです。サクサクとしたインターネット環境を楽しんでくださいね!
